痛みやかゆみなどが起きる性器ヘルペス。再発を繰り返すことが多く、不安やストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、医師監修のもと、性器ヘルペスの再発原因をわかりやすく解説し、効果的な治療法や日常生活でできる予防策をくわしくご紹介します。再発に悩まされず、健やかな毎日を送るためのヒントを見てみましょう。
目次
性器ヘルペスが再発する原因とは
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)の感染によって引き起こされる性感染症です。一度感染するとウイルスは腰の神経に潜伏し続け、さまざまな要因によって再活性化することで再発を繰り返します。
性器ヘルペスの再発は、身体的にも精神的にも負担となるため、原因を理解し、適切な予防と治療を行うことが重要です。
腰の神経に潜伏するヘルペスウイルスの仕組み
単純ヘルペスウイルスは、初感染時に皮膚や粘膜から侵入し、神経節と呼ばれる神経細胞の集合体に潜伏します。
性器ヘルペスの場合は、腰仙髄神経節に潜伏することが多いと言われています。免疫力が低下したり特定の刺激を受けたりするとウイルスが再活性化し、神経を伝って皮膚や粘膜に到達し、再発を引き起こします。
再発を引き起こす3つの要因(性行為・疲労・包茎)
性器ヘルペスの再発には、さまざまな要因が関与していますが、とくに以下の3つが主な原因として挙げられます。
●性行為
●疲労
●包茎
性行為
性行為は、性器への物理的な刺激となるため、ヘルペスウイルスの再活性化を誘発する可能性があります。とくに、摩擦や刺激が強い性行為は再発リスクを高める可能性があるため、注意が必要です。
また、コンドームを使用しても、完全に感染や再発を防ぐことはできません。パートナーとのコミュニケーションを大切にし、性行為の頻度や方法を調整するなどの配慮が重要です。
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疲労
疲労やストレスは、免疫力を低下させる大きな要因の一つです。
免疫力が低下すると、ヘルペスウイルスが再活性化しやすくなり、再発につながる可能性が高まります。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけ、疲労を蓄積させない生活習慣を維持することが重要です。
包茎
包茎の場合、ヘルペスウイルスが潜伏しやすいと考えられます。亀頭が常に包皮に覆われていると、湿度や温度が高くなりやすいためです。亀頭包皮炎やカンジダ症などを合併しやすく、これらが性器ヘルペスの再発の誘因となる可能性が示唆されています。
また、包皮の内側と亀頭の間は、わずかな刺激でも傷つきやすく、ヘルペスウイルスが再活性化するきっかけとなります。性器に傷があるとタオルや便座などから感染することもあり得ます。
そのため、包茎手術によってこれらの感染症のリスクを軽減することで、間接的に性器ヘルペスの再発リスクを低減できる可能性が考えられます。
予防療法や包茎手術を検討する際は、医師とよく相談し、メリットとデメリットを理解したうえで判断することが重要です。
性器ヘルペスの再発の予防法
性器ヘルペスの再発は、日常生活におけるさまざまな要因によって引き起こされます。
再発を予防するためには、これらの要因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。規則正しい生活習慣を維持することで、再発のリスクを軽減することができます。
再発予防に効果的な3つの対策(睡眠・運動・食事)
性器ヘルペスの再発予防には、健康的な生活習慣が重要です。とくに、睡眠・運動・食事の3つの要素に焦点を当て、バランスの取れた生活を心がけましょう。
睡眠
十分な睡眠は、免疫力を維持するために不可欠です。
毎日7~8時間の睡眠を確保し、睡眠不足による免疫力の低下を防ぎましょう。
運動
適度な運動は、ストレス軽減や血行促進に効果があり、性器ヘルペスの再発予防にもつながります。
週に数回、30分程度の軽い運動を継続的に行うことが理想的です。激しい運動は逆に免疫力を低下させる可能性があるので、ウォーキングやヨガなどの軽い運動から始めるのがおすすめです。
無理のない範囲で、楽しみながら続けられる運動を見つけましょう。
食事
バランスの良い食事は、健康維持の基本です。
野菜・果物・タンパク質・炭水化物をバランス良く摂取し、免疫細胞の働きをサポートする栄養素を積極的に摂りましょう。
とくに、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などは免疫機能に重要な役割を果たしています。加工食品やインスタント食品の摂取を控え、新鮮な食材を使ったバランスの良い食事を心がけることが大切です。
PIT療法と再発抑制療法による予防
性器ヘルペスの再発を抑制するための治療法として、PIT療法(Patient Initiated Therapy:患者開始療法)と再発抑制療法があります。
PIT療法は、再発の兆候を感じた際に、すぐに抗ヘルペスウイルス薬を服用する治療法です。一方、再発抑制療法は、毎日抗ヘルペスウイルス薬を服用することで、再発を予防する治療法です。
PIT療法と再発抑制療法についてくわしくは後述します。
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性器ヘルペス再発時の治療法と効果的な対処方法
性器ヘルペスの再発時の治療は、主に抗ウイルス薬を用いた薬物療法が中心となります。
症状の出現から24時間以内に治療を開始することで、症状の重症化と持続期間を軽減できます。また、再発を繰り返す場合や症状が重い場合には、再発抑制療法も検討されます。
24時間以内の治療開始で症状を抑える抗ヘルペス薬
性器ヘルペスの治療には、アシクロビル・バラシクロビル・ファムシクロビルなどの抗ヘルペスウイルス薬が用いられます。
初発時の治療と同様に、再発時も早期の治療開始が重要です。症状が現れたら、できるだけ早く医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。治療開始が遅れると、症状が重症化したり、治癒に時間がかかったりする可能性があります。
治療中の注意点
基本的な治療は内服治療となり、最低5日間抗ヘルペスウイルス薬を内服します。
治療中は性行為を控え、刺激を避けて生活してください。
再発防止に効果的なPIT療法と再発抑制療法
性器ヘルペスの再発を予防するためには、PIT療法(Patient Initiated Therapy:患者主導型治療)と再発抑制療法の2つの方法があります。年間3回以上再発している方はぜひ検討したい方法です。身体の状態や生活スタイルなどを考慮して医師の指示のもと予防を行っていきます。
PIT療法
PIT療法は、再発の初期症状(前駆症状)を感じた際に、すぐに抗ヘルペスウイルス薬を服用する治療法です。
前駆症状は、再発部位のピリピリとした痛みやかゆみ、違和感などです。これらの症状を感じたら、すぐに薬を服用することで、再発の重症化や期間の短縮が期待できます。PIT療法に用いる薬剤は、通常の内服薬よりも少ない量で効果を発揮するように調整されています。
再発抑制療法
再発抑制療法は、毎日抗ヘルペスウイルス薬を服用することで、再発を予防する治療法です。再発を頻繁に繰り返す場合や、再発による症状が重い場合に有効です。
治療法 | 内容 | メリット |
PIT療法 | 再発の兆候を感じた時に抗ヘルペスウイルス薬を服用 | 薬の服用期間が短い |
再発抑制療法 | 毎日抗ヘルペスウイルス薬を服用 | 再発を効果的に抑制できる |
すぐにでも病院に行くべき状態とポイント
性器ヘルペスの再発は、症状が軽度な場合でも適切な治療が必要です。自己判断で放置すると症状が悪化したり、他の人に感染させてしまったりするリスクがあります。
そのため、少しでも再発の兆候を感じたら、速やかに医療機関を受診することが重要です。とくに以下の症状が現れた場合は、すぐにでも病院を受診してください。
●自分で見て「ヘルペスかもしれない」と思う
●性器にいつもと違う状態がみられる
●以前のヘルペス発症時とは症状が異なるが、痛みやかゆみがある
●高熱・激しい痛み・広範囲の発疹・しびれなどがある
高熱やしびれなどの神経症状がある場合は、重症化の兆候であり、緊急受診が必要です。急いで受診しなければならない状態になる前に、かかりつけの泌尿器科に相談しましょう。
【関連記事:排尿時に痛みがある…代表的な3つの病気と男性にみられる症状・治療を解説】
受診する医療機関の選び方と受診時のポイント
男性の性器ヘルペスの治療は、泌尿器科で行われています。日頃から排尿や性器のトラブル・男性特有の症状を相談できるかかりつけの泌尿器科を持ちましょう。
受診時にぜひ伝えたいことは以下の6点です。
●症状が現れた時期
●症状の程度や変化
●性行為の有無
●過去の性器ヘルペスの発症歴
●他の性感染症の既往・治療歴
●お薬の服用状況(お薬手帳を持参)
ReVIOSの性器ヘルペス治療
繰り返す性器ヘルペスは生活の質を下げてしまいます。症状や身体の特徴、そしてライフスタイルに合った治療と予防を行うことで、痛みや不快感に悩まされない快適な生活ができるようになります。
メンズ専門クリニックReVIOS大阪梅田院では性器ヘルペス発症・再発時の治療はもちろんのこと、今後の再発を防ぐための専門的な予防もできるクリニックです。オンラインで予約・相談が可能です。
発症のたびに内服治療を行うこともできますが、PIT療法や再発抑制療法を取り入れられます。さらに、包茎の方は手術を行うことで性器ヘルペスの再発を抑制できる可能性もあります。
ReVIOS大阪梅田院では、包茎の方の性器ヘルペス再発症例に対して積極的に包茎手術を行っており、治療成績も良好です。
平日20時まで検査・診察・処方が受けられ、JR大阪駅中央口から徒歩1分。梅田エリアの各路線の駅直結で雨に濡れることもありません。来院から最短30分で診察を終えられ、仕事帰りにも気軽に受診できます。
ReVIOSの診察は完全個室で行われ、泌尿器科専門医の診察が受けられるメンズ専門クリニックなので安心。保険診療にも対応しています。検査・治療内容も相談が可能です。くわしくは以下のページをご覧ください。
参考
監修
淺川 純平
ReVIOS MEN’S CLINIC院長・泌尿器科専門医
泌尿器科専門医として長年にわたり幅広い男性診療経験をもっています。
特に専門性が高いのは、包茎手術・性感染症治療・ED治療・男性ホルモン治療の分野。多くの患者様から信頼を集めています。
医療の現場で培った知識をもとに、SNSやコラムを通じて正しい医療情報を発信中。患者様お一人おひとりの不安に寄り添い、安心して治療を受けていただける環境づくりを心掛けています。
このコラムではそんな院長の信念のもと、わかりやすく正確な情報をお届けしています。