妊娠を望むカップルにとって、「妊活」という言葉は今や身近なものになりました。
しかし、妊活で何を行うのか知らない方も多いのではないでしょうか。
実は、生活習慣の見直しや基礎体温の管理など、できることは多岐にわたります。
本記事では、妊活の具体的なやり方やベストなタイミング、取り組むうえでの考え方まで、わかりやすく解説します。
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妊活とは?
妊活とは、子どもを授かるために夫婦が行う活動全般を指します。
排卵日や基礎体温の把握、生活習慣の見直しなどはもちろんですが、妊娠に関する正しい知識を身につけることも妊活の第一歩です。
妊活というと「女性が頑張るもの」というイメージを持つ人もいますが、実際にはパートナーである男性の協力が欠かせません。
精子の質や生活習慣も妊娠の成否に大きく関わり、不妊の原因の半数は男性にあるともいわれています。
夫婦が一緒に取り組むことが成功への近道です。
自然妊娠は簡単ではない
健康な20代の男女が性交渉した場合でも、1回の月経周期あたりの妊娠確率は25-30%程度だと言われています。
確率はそこまで高くないため、焦らずに妊活に取り組んでいきましょう。
ちなみに、妊娠の確率は年齢が上がるごとに低くなっていきます。
1周期あたりの自然妊娠の可能性
・20代:約25-30%
・30代前半:約25-30%
・30代後半:約18%
・40代前半:約5%
・45歳:約1%
そのため、自然妊娠にはタイムリミットがあるといえ、子どもを授かりたい場合は計画的に行う必要があるのです。
妊活でやるべきこと4選
妊活において大切なのは、焦らずに自分の体やパートナーと向き合うことです。
状況に応じて、できることから始めていきましょう。
しっかりと取り組むことで、妊活が終わった後のパートナーとの生活も良好なものになるでしょう。
タイミング法を実践する
妊娠の可能性を高めるには、排卵日に合わせて性交渉を行う「タイミング法」が効果的です。
もっとも妊娠しやすいのは排卵日の1〜2日前といわれており、次回の生理予定日の約14日前が目安となります。
そのタイミングを狙って、性交渉を行うことで妊娠の可能性を高められるのです。
排卵日を把握するために、自分の月経周期を調べる必要があります。
そのために行われるのが、基礎体温の測定です。
婦人体温計を使って毎朝起床直後に体温を測定し、記録をつけることで排卵期を推測するのです。
排卵前は体温が低く、排卵後は高温期に入るため、ノートなどに毎日記録することで月経周期が把握できます。
最近では、排卵検査薬を用いてホルモン変化を調べる方法も普及しています。
これを基礎体温とあわせて利用すると、より正確に排卵日を特定可能です。
生活習慣を見直す
妊娠しやすい体づくりには、日々の生活習慣が大きく関わっています。
まず、バランスの良い食事を心がけ、しっかりと栄養を取るようにしましょう。
無理のない範囲で、一日三食、さまざまな食材を取り入れてみてください。
特に、妊娠初期の胎児発育に欠かせない葉酸を意識的に摂取することが推奨されています。
ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜や、サプリメントから補うとよいでしょう。
また、適度な運動を取り入れることで血流が改善し、ホルモンバランスも整いやすくなります。
ストレス解消にもなるため、無理ない範囲でウォーキングやヨガなどを楽しみましょう。
適正な体重でいることも、妊活をするうえで重要なポイントです。
さらに、質の良い睡眠を確保することも妊活にとっては大切です。
睡眠不足はホルモン分泌に悪影響を与え、排卵機能や精子の質低下につながる恐れがあります。
お酒やタバコは妊娠の妨げになるため控えることが望ましいです。
特に喫煙は女性の卵巣機能低下や男性の精子形成障害に直結するため、妊活中は禁煙が基本です。
体を冷やさないことも意識したい大切な習慣です。
特に下半身の冷えには注意し、薄着を避けたり、入浴で体を温めたりと日常的に意識しましょう。
冷たい飲み物や体を冷やす食材を摂りすぎないようにしましょう。
ブライダルチェックをする
妊活を始める前に受けておきたいのが「ブライダルチェック」です。
これは妊娠や出産に影響を与える可能性のある病気や体質を確認する検査で、男女ともに受けることが推奨されています。
女性の場合、問診に加えて風疹抗体、AMH(卵巣予備能)検査、経腟超音波検査などが一般的です。
また、性感染症の有無を調べる梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HIV抗体検査、クラミジア抗体や膣淋菌の検査なども行われます。
必要に応じて子宮頸がん検診やホルモン検査も追加される場合があります。
男性のブライダルチェックでは問診や風疹抗体検査のほか、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIV抗体、クラミジア抗体などの性感染症の検査が行われます。
さらに、不妊の理由が男性側にある場合、精子の状態の調査はとても肝心です。
そのため、ブライダルチェックにおいては精液検査による精子の数や運動率の確認が行われるのが一般的です。
これらの検査によって、妊娠を妨げる要因を早期に発見し治療や対策を講じることが可能になります。
ブライダルチェックは「不妊になってから」ではなく「妊活を始める前に受けておく」ことが理想です。
将来の安心のためにも、カップルで話し合ったうえで、一緒に受けておくとよいでしょう。
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パートナーと話しあう
妊活においては女性だけが努力するのではなく、パートナーである男性が理解し、協力する必要があります。
両者ともに子どもが欲しいと考えているか、何人の子どもを希望するのか、産後の仕事や生活との両立をどうするかなど、しっかりと話し合っておきましょう。
場合によっては妊活は長期に及ぶこともありますが、話し合いを重ねて不安や不満を減らしておくことで、妊活を前向きに続けることができます。
不妊治療を始めるタイミングとは?
妊活を始めて半年以上経っても妊娠に至らない場合や、40歳以上で妊娠を希望する場合は、不妊治療の開始を検討しても良いでしょう。
不妊治療には段階があり、まずは排卵日に合わせて性行為をするタイミング法から始め、それでも難しい場合には人工授精、さらに体外受精へと進んでいくのが一般的です。
ただし、どの方法が適しているかは年齢や体の状態によって異なります。
人工授精や体外受精になると費用が高額になるため、経済的な計画も必要です。
自治体による助成金制度を利用できることもあるため、情報収集を行いながら準備を進めましょう。
また、ホルモン治療や採卵によって女性の体調に負担がかかる場合もあるため、パートナーの理解や職場の協力が欠かせません。
不妊治療は身体的・精神的・経済的な負担を伴うため、医師と相談しながら無理のない形で進めるのが重要です。
まとめ
妊活とは、単に妊娠を目指す行動ではなく、心身を整えながら妊娠しやすい環境をつくることを意味します。
基礎体温や排卵日のチェック、生活習慣の見直し、パートナーとの協力など、できることはさまざまです。
ただし、思うように結果が出ない場合もあり、焦りや不安を抱える方も少なくありません。
その際には悩まず、医療機関や専門家に相談することが大切です。
「Revios」は、JR大阪駅中央口から徒歩1分にある男性専用のプライベートクリニックです。
妊活外来では、精液検査や男性のブライダルチェックが可能です。
妊活をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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監修
淺川 純平
Revios MEN’S CLINIC院長・泌尿器科専門医
泌尿器科専門医として長年にわたり幅広い男性診療経験をもっています。
特に専門性が高いのは、包茎手術・性感染症治療・ED治療・男性ホルモン治療の分野。多くの患者様から信頼を集めています。
医療の現場で培った知識をもとに、SNSやコラムを通じて正しい医療情報を発信中。患者様お一人おひとりの不安に寄り添い、安心して治療を受けていただける環境づくりを心掛けています。
このコラムではそんな院長の信念のもと、わかりやすく正確な情報をお届けしています。